江戸時代、商売人がお盆や年の瀬の挨拶回りに贈り物を持参して回ったことが始まりであるとされている、お中元やお歳暮。どちらも大切な人へ感謝の気持ちを込めて贈るものですが、そもそも違いはあるのでしょうか？

 

いざ質問されると回答に困ってしまう、お歳暮とお中元の違いについて今回は解説していきます。日本古来の風習に関する豆知識を学ぶような気持ちで今回はお付き合いください！

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そもそもお中元・お歳暮とは？

そもそもお中元やお歳暮とは一体何なのでしょうか？時期が来れば当たり前のように贈ってはいるものの、いざ質問されると答えるのに言葉が詰まってしまう方も多いのではないでしょうか。まずはこの点から詳しく解説していきますので、これらがどういったものなのか、今一度確認してください。

お中元とは

お中元とは、お世話になっている方々に感謝の気持ちを込めて贈る夏の贈り物です。道教由来の年中行事である「中元」が行われる7月15日～8月15日の間に贈られることから、この名前が付いたともいわれています。江戸時代以降、盆の礼として親戚やお世話になった方々へ贈り物をする習慣が広まり、現在に至っていると考えられています。

 

品物としてはマスカットや巨峰、モモなどといった旬の果物や、和菓子、ビールなどが良く選ばれています。

お歳暮とは

お歳暮とはお世話になったことへの感謝の気持ちと、「来年もよろしくお願いします」といった気持ちを込めて年の瀬に贈る、大切な人への贈り物のことです。元々新年に神様をお迎えする際のお供え物のことであり、これを年の瀬に本家や嫁の実家へ贈るようになったことで現在のような習慣が生まれたといわれています。

 

この時期は特に大勢で集まることが多いからか、品物としては皆でシェアできるような洋菓子やオードブル、新年を迎えるに当たって重宝される日本酒や新巻鮭などが良く選ばれます。

お中元とお歳暮の違いとは

では、お中元とお歳暮は何が違うのでしょうか？この点について詳しく解説していきます。

贈る時期の違い

お中元とお歳暮では、まず贈る時期が決定的に違います。お中元は7月15日～8月15日まで、お歳暮は12月13日～12月20日までと捉えられています。お中元を贈る時期は地方によって多少時期が異なり、北海道や東海、関西、中国、四国などは7月上旬～8月15日までですが、関東は7月1日～7月15日、九州は8月1日～8月15日が一般的です。

 

お歳暮は年の瀬の忙しい時期にあたらないように12月20日までに贈るというのは共通ですが、贈り始めにはばらつきがあり、最近では11月の中旬から贈り始める方も増えているそうです。

贈る品物の違い

お中元とお歳暮はそもそも贈る時期が違い、気候や旬の違いなどかあるので、贈る品物にも大きな違いがみられます。お中元には涼を感じられるように、旬の果物を材料にしたゼリーや生菓子、ビールなどが、お歳暮には家族みんなで暖まれそうな鍋物セットやおでんセットなどが好まれています。また、お中元よりもお歳暮のほうに高級品を贈る傾向が強いようです。

贈る際のマナーについて

お中元やお歳暮を贈る際のマナーは、持参する場合と送付する場合とで違いがあります。持参する場合は必ず事前に連絡を入れて予定を伺い、昼食時や夕食時を避けて訪問しましょう。また、持参せずに送付する際は事前に送付状を郵送しましょう。商品に同梱することもできますが、事前に郵送したほうが、先方に丁寧な印象を与えます。

まとめ

お中元とお歳暮には贈る時期や贈る品物に違いこそあれ、普段からお世話になった人への感謝の気持ちを込めた贈り物であるという点は共通しています。これらの風習は昔からあり、どちらも日本の古き良き習慣であることは間違いありません。誰に贈るのか、何を贈るのか、どのようにして贈るのかなど、考えることがいっぱいありすぎて大変ですが、大切なのは贈る人の顔を思い浮かべ、何を贈ったら喜ぶのかを熟考することです。

 

贈るタイミングやマナーを踏まえたうえで相手が少しでも喜んでくれるように、頑張って工夫してくださいね。