皆さん。ご家庭で少し多めに作りすぎてしまった食材や、お惣菜を小分けに冷凍し後日召し上ったりしていると思います。

その時の「アツアツできたて」を頂くより、少しパサパサしたような味わいになってしまい、

市販の冷凍食品はあんなに美味しいのに何故⁈と嘆いている方もいらっしゃるのではないでしょうか？

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冷凍した食材を美味しく食べるには

実は冷凍した食材の美味しさを保つ秘訣は冷凍する「速さ」にあったのです。

肉・魚・野菜などの中には多くの水分が含まれます。ご家庭で通常通り冷凍をすると、その水分は氷の結晶は大きい結晶になります。冷凍する際に結晶が膨張する温度帯（最大氷結晶生成帯：0℃～-5℃）を通過するスピードが遅いと、氷結晶はみるみる膨張しまい、食材の細胞が20ミクロン程度であるのに対し、氷結晶のサイズが細胞よりも大きくなってしまいます。そうなると、細胞膜や細胞壁などを傷つけてしまい、結果　食べた時にあの『パサパサした食感』や逆に『水っぽい食感』になってしまっていたのです。

細胞膜や細胞壁を壊してしまうと。。。

そこからドリップが流れ出てしまいます。ドリップとは、食品中の組織液というもので、赤い液体は一見血液のようにも見えますが血液ではありません。

その組織液には筋肉中のたんぱく質であるミオグロビンが流れ出てしまいます。

ミオグロビンは赤い色素が含まれているのでドリップが赤く見えるのです。

そのドリップ実は。。。

ドリップの主な成分は、たんぱく質で『うまみ成分』・『栄養素』を多く含んでいます。それが流出してしまという事は知らない間に不味くなってしまっていたのです！
そんな事から、
いつしか「冷凍した食品は美味しくない」
といったレッテルを貼られてしまいました。

市販の冷凍食品は。。。

一方、私もよく利しますが、大手さんの冷凍食品は品数も豊富でとても美味しいですよね！大手さんの冷凍食品は急速冷凍を行っています。（※美味しさの秘訣は急速冷凍だけではありませんが。。。）食材を急速に冷凍すると、最大氷結晶生成帯を素早く通過するため、氷結晶は５ミクロン程に抑えられます。氷結晶が非常に微細なので、細胞破壊を防ぎ、解凍後も高い再現性を維持することが出来るのです。

と言ってもご家庭で急速に冷凍する事は難しいです。
でも、

『コストを掛けずに食材の美味しさを少しでも守りたい！』

そんな欲張りなご要望に寄り添います！

ご家庭で　簡易　急速冷凍！！

急速冷凍にできる限り近づける方法をご紹介します！

①『アルミ製のバット、を2枚準備します』高さのある物を冷凍したい場合はアルミホイルを準備。

②食材をラップで包む時は空気を抜き、可能な限り広く薄く包みます。
④ ③をバットで挟み冷気が出る場所の1番近くで冷凍庫に入れます。
⑤その後は可能な限り冷凍庫を開けずに完全に冷凍されるまで待ちます。

ポイント

③で熱伝導の妨げになる空気を可能な限り除去し
アルミ製のバットもしくはアルミホイルで、
食材を最大氷結晶生成帯：0℃～-5℃を通過するスピード可能な限り早くし、おいしさを守ります。

おまけ

ドリップを防止する解凍方法

食品の解凍方法によってもドリップの量は変わってきます。

食品を解凍する際に、部屋の中など高温下で解凍すると、外側はすぐに解凍されますが内側は凍ったままになっています。

特に塊の肉や魚のブロックなど大きなものを解凍する際は、内側と外側の温度差が大きくなりやすく、生ものは完全に解凍される前に外側が傷んでしまうといったことにもなりかねません。

また、温度の違いにより一部の溶けはじめた部分から水分が出やすくなり、ドリップ量が多くなってしまいます。

肉や魚などの生ものを室温で解凍することは衛生的な面からも避けたいものですが、ドリップの量を抑える解凍方法は、

加熱して使用する食品に関しては、完全に解凍してしまうよりも冷凍のままか半解凍の状態で火を通した方が食品中の栄養や水分が逃げにくく、パサつきが防げます。

加熱しないで使用する食品に関しては、冷蔵庫や氷水などで解凍することで、解凍時の外部と内部の温度差を小さくすることができます。

また食品全体を低い温度を保ちつつ解凍することも鮮度を保つポイントです。

まとめ

当店では、瞬間冷凍機がくるまでは、このような形で可能な限り手を尽くしてきました。冷凍庫の種類、向いていない食材など、状況により効果が感じられない事はあるかもしれませんが、色々な食材を試してみて下さい。